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日本経済新聞 家計面

人生最後のセレモニーであるお葬式。どの家族もいずれ直面するが、実際にかかる費用は案外知られていない。葬儀費用の内訳や業者選びのポイントを探ってみた。

「何も分からず困った」。東京都の会社員Aさん(46)は振り返る。数ヶ月前、父親が病に倒れ、医師から余命いくばくもないと告げられた。落胆する母に代わって準備に取り掛かったものの、葬儀に関する知識は皆無。「参列した経験はあっても、遺族として営んだことがなかった」という。

そこでインターネットで検索したところ、葬儀に関するアドバイスを手がける葬儀サポートセンター(http://www.sougi-support.net/)を見つけ、同社のオフィスを訪れた。紹介された二社に見積もりを頼み、家族と相談のうえで業者を決めた。

近くの葬儀会館を借りて七月にお葬式をし、約百人が参列した。かかった費用は約百七十万円。 Aさんは「誠実に対応してくれる業者を見つけることができて良かった」と満足げだ。

全国平均236万円

もっとも、Aさんのようなケースばかりではない。公正取引委員会が今年七月にまとめた調査では、葬儀を依頼した人の二割以上が、同じ業者には二度と頼みたくないと回答した。その理由として目立ったのが料金に関する問題で、「サービスが料金に見合わない」との回答が約三十五%に達した。「料金明細を明らかにしない」などの不満もあった。

日本消費者協会によると、葬儀費用の全国平均は二百三十六万円。都内では三百万円を上回ることも珍しくないといわれる。香典などがあるので全額がそのまま遺族らの負担になるわけではないが、相当の出費を強いられる。

なぜこんなにお金がかかるのか。葬儀の費用は、(1)祭壇やひつぎなど式本体にかかるもの(2)参列者にふるまう料理やお返し、霊きゅう車など式に付随するサービス(3)読経や戒名の取得などお寺へのお布施、の大きく三つに分けられる。

それぞれ多くの項目があるうえ、内容や規模によって簡素なものから豪華なものまで用意されており、価格も幅広い。安置費用やマイクロバスなど式場によってはかからない場合もある。式本体の費用は葬儀業者に直接払い、飲食やお返しなどは業者を経由して別の専門業者に支払う形になる。

(中略)

葬儀サポートセンターは関東、関西を中心に優良業者を紹介。スタッフが葬儀に出向いて見積もり通りのサービスが提供されているかチェックしている。中小規模の業者の中にも良心的なサービスを提供しているところがあるので、見積もりを頼んだうえで慎重に選び、分からない点は納得するまで説明を頼めばよい。葬儀業者やNPOなどが開くセミナーに参加して、準備から費用まで一通り知識を得ておくのも手だ。

もちろん、お葬式は大切な家族を送り出すセレモニーなので、料金だけで選んだり、決めたりするものではないのも事実。 Aさんは「身内の死をタブー視せず、葬儀について家族で生前から話し合うなど、早めに準備するのが大切」と、自らの体験をもとに話している。

日本経済新聞 「家計面より」

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